CAESES®を用いた10ステップでボリュート形状作成

ボリュートのパラメトリックモデリングは難しい作業ですが、単一のボリュートのモデリングは単純なプロファイルを設計するだけで複雑には見えませんが、最適化シミュレーションに自由に変形できるモデルの作成は、多くの課題があります。 最適化プロセスでは、モデルを自動的に変形する必要があり、解析用のメッシュを自動的に生成する必要があります。この場合、パラメータによって形状変形を制御し、ボリュートモデルの変形のロバスト性を確実にしなければならず、さらに、メッシュ分割の要件を満たすために、 異なる境界タイプを区別することにより、個々のコンポーネントの面が独立して現れます。形状はA / R比やその他の寸法制約などのパラメータを満たす必要があります。

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ボリュート形状


この事例では、CAESES®を用いた10ステップでパラメトリックボリュート形状を作成する方法を説明いたします。


ステップ1:パラメトリック断面形状の作成

代表的な方法を紹介します。 形状をに変化させるためには、入口/出口幅、中心データ、A/R比および形状を制御するための二次元パラメータを定義する必要があります。下の図では、制御線はNURBS曲線の複数の制御点の重みも持っています。


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断面形状のパラメトリックモデル


ステップ2:パラメータでの制御曲線作成

断面形状のパラメータに対して、円周方向のパラメータ変化を定義する制御曲線が作成できます。 これらの制御曲線(またはパラメータ分布)は、後ほど形状変化による最適化プロセスで使います。


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各パラメータに柔軟な制御曲線を作成する


ステップ3:円形サーフェスを作成する

断面形状とそれに対応するパラメータ分布に基づいて、円形サーフェスを生成できます。 CAESES®では、「Lofted Surface」法または「Meta Surface」法が使用できます。 

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円形サーフェス形状

ステップ4:入出口部の作成

タービンまたはコンプレッサーのボリュートの作成に対して、入口または出口の形状を作成する必要があります。この部分は、通常はそれほど複雑ではなく、正則面を通る円形の出口または単純なBスプラインジオメトリに接続されています。また、形状を制御するためにいくつかのパラメータを導入します


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入出口部形状

ステップ5:接合部の作成

ボリュートから出口部までの接合部は、「Fillet surface」法を使って滑らかにすることで接合部を作成します。また「Meta Surface」法も使うことができます。サーフェスは形状変化をより詳細に制御できます。

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接合部形状

ステップ6:ボリュート部の作成

ボリュートの舌部を構築するための準備作業が必要です。ボリュートの一部を外側にオフセットする「offset surface」法を使います。

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オフセット曲面


ステップ7:曲面クリッピング

サーフェスをオフセットした後、初期サーフェスとオフセットサーフェスを「SubSurface」法またBrep機能を用いてトリムを行います。

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ボリュートの舌部を作成するためのサーフェスクリッピング


ステップ8:ボリュートの舌部曲面の作成

ボリュートの舌部の断面をパラメトリックとして定義し、「Meta Surface」法または「Lofted Surface」法を使って滑らかな曲面を作成します。 したがって、パラメータ分布を使用して舌部形状を詳細に制御できます。場合によっては、舌部が一定の半径を持つ丸みを帯びた角になっているので、BRep機能のround機能を用いて作成できます。

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ステップ9:ボリュート形状の閉じられたモデルを作成

最終的に、ボリュートとその入り口と出口は、Brep機能を用いて形状全体が閉じられた空間になるようにします。さらに、個々のサーフェスを異なる色に設定して、後のメッシュ作業で区別できるようにします。

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閉じられた形状の作成


ステップ10:形状ロバスト性の確認

前述の通り、CAESES®は単純に単一のモデルを作成するだけではなく、設計の最適化に使用できるモデルを作成します。 そのため、バリアントプロセスにおけるモデルのロバスト性をチェックする必要があります。つまり、パラメータが変化してもモデルを安定して生成できます。 CAESES®では、統合アルゴリズムを使用してパラメータ変更の自動チェックが実行できます。

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CAESES®を用いて形状のロバスト性をチェック


結論

CAESES®でパラメトリックボリュートを作成する際の重要なステップをまとめました。各ステップでパラメータを介してモデルを制御することができ、標準化されたモデリングプロセスとパラメトリック制御法を構築することによって簡単に実現できます。安定した変形はマルチスキーム評価、自動最適化やその後続くボリュートモデルのデータベース確立の基礎を築くことが可能になります。