ディーゼルエンジンなどの最適化を行うにあたり、対象となる部品のひとつにインジェクターが挙げられます。
この部品は、燃料が燃焼室に対して最適に噴射されるように向きや寸法が考慮されており、非常に洗礼された製品です。
CAESESの開発元では以前、この燃料噴射装置の既存のノズル形状を迅速に変更する方法を考える必要がありました。
そこでモデルをSTL形式でCAESESにインポートし、CAESESのモーフィング機能をインジェクターノズルに対して実施することにしました。
インジェクターのジオメトリ
CAESESは、既存の形状に対してモーフィング(Free Form Deformation)を適用することが可能です。
そこで、ノズルの周囲にボックスを作成し、いくつかの拡張方法を定義することで、ノズルを拡大縮小する変形を加えることができます。
もちろん、製造上の制約などを考慮する必要がありますが、モーフィングを初期段階では、できるだけフレキシブルに設定できるようにしました。
モーフィング用のボックスとコントロールポイント
モーフィングによる変形ができることを確認したら、次のステップでは自動化プロセスに対応するために、膨張係数に関する設計変数を定義しました。
モーフィングによる形状変形例
このノズルのセットアップが終わると、他のノズルにも適用させていきます。
変形方法を定義した後は、技術的な要求や制約にしたがって、さらに少しずつ微調整を続けていきます。
最終的には、形状変更・メッシュ作成・CFD解析の全工程を完全自動化したデザインスタディを実施するところまで行われました。
デザインスタディの一部
CAESESではフルパラメトリックモデルを作成する以外にも、既存形状に対してモーフィングを行うことで効率的なデザインスタディや最適化を行うことが可能となります。