【AIPOD】新エネルギー車用モーターの性能最適化

はじめに


汎用最適化プラットフォームAIPODを用いて、新エネルギー自動車に使用されるモーターの性能最適化を実施します。モーターの性能は、電気自動車などの走行性能に直結する重要な検討項目であり、出力や効率を向上させることはより良い自動車の開発には必要不可欠となります。


最適化条件


AIPODには、Motor-CADとの接続を簡単に行うことができるインターフェースが搭載されており、ソフトウェア上でプロセスを簡単に構築することができます。これにより、モーターの入力要件をもとにして、指定空間における最適解を徹底的に探索することが可能となります。


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図1:最適化プロセス図


最適化プロセス図の入力変数は、最適化計算における設計変数を意味しており、出力変数は目的関数を意味します。モーターの設計要件に応じて各変数が定義されており、解析には負荷あり/なし状態の2種類のパターンをプロセスに統合しています。また、制約条件は設定していません。この最適化計算では、目的関数として定義されている値が向上あるいは最適となるモーターを探索していきます。


最適化結果


最適化計算は全体は、8コアのデスクトップマシンを使用して3日間の計算時間を要しました。AIPODの最適化計算では、各変数において以下の最適化効果を取得することができました。


表1:最適化効果


変数名

最適化効果

ピークトルク

6.42%↑

負荷トルクリップル

55.05%↓

有効起電力

6.37%↑

高調波

73.06%↓

無負荷トルクリップル

56.52%↓



ピークトルクと負荷トルクリップルは重要な最適化指標であり、2D散布図と3D散布図を組み合わせて最適化候補を確認検証することで、より直感的に最適解を見つけることができます。


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図2:AIPODの後処理機能