【AICFD】車室内快適性のAI予測解析

はじめに


汎用熱流体解析ソフトウェアAICFDに搭載されてAI予測機能を用いて、車室内速度の予測解析を実施します。概念設計段階では、空調吹出口の設計を繰り返し、さまざまな排気条件下における車室内の熱的快適性とエネルギー経済性を評価する必要があります。計算されたサンプルデータに基づき生成された低次元化モデルは、車内の流れ場と温度分布を迅速に予測し、設計効率の大幅な向上を実現します。


AI予測解析条件について


AI予測解析における条件を以下に示します。AICFDでは、ソフトウェア内で計算したデータをそのままトレーニングデータとすることで、外部ツールを必要とせずに低次元化モデルを構築することが可能となります。解析設定から予測解析までを同一GUIで実施することができるため、ソフトウェア連携などによる手間は発生しません。


表1:AI予測解析の各種条件

条件名

内容

解析対象

空調吹出口の流量変化による流れ場影響

サンプルデータ

0.1~7[m/s]の範囲における10個のデータ

モデルデータ

ジオメトリ、メッシュモデルは同一



解析結果について


AICFD内で作成した低次元化モデルによる予測解析と通常解析の結果比較を行いました。低次元化モデルでは2%の精度低下を前提として、99.8%の計算効率向上が実現しました。予測解析にかかる時間は、わずか数秒です。


表2:通常解析モデルと低次元化モデルの比較

結果比較表.png



結果比較コンター図.png

図1:速度コンター図比較