ばら積み貨物船の形状最適化

今回は、ヨーロッパの船級協会であるDNV GLのばら積み貨物船の最適化ケースを紹介します。

 

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このケースは、ばら積み貨物船の船体及びプロペラの最適化計算になります。対象となる船体は「Diamond 2」と呼ばれるウルトラマックスサイズの船体です。


最適化には、造波の低減,船尾部の推進力,船尾部のねじれ,プロペラのデザインが含まれており、形状はCAESESのCAD機能を使用して作成されました。CFD解析にはFS-FlowとOpenFOAMが用いられました。


最適化第一段階の目的関数は、喫水と速度の組み合わせ5つに対する消費電力と海上時の船体加重が設定されました。第一段階にて最適化とされた船体形状は、SVA Potsdamにてテストが行われ、4つの似たような船体と性能比較がされました。ベース形状に対して約5%の性能改善が確認されました。


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最適化の第二段階として、非対称の船尾,高効率なプロペラ,渦低減バルブ付き舵が形状に追加されました。最適化計算後の船体形状では、電力が2.6%削減し、最大8%の全体的な性能改善が確認されました。1日あたり12ノットの速度で進行すると、最大14.6トンの燃料を節約することができます。


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このケースでは、段階を分けて最適化計算を実施することで、効率的に最適化形状を取得することができました。CAESESでは形状作成から最適化計算までの流れを様々な船体形状に対して実施することが可能であり、設計開発における最良のソリューションになり得ると考えます。