OpenFOAMを活用した舶用プロペラのブレード形状最適化

CAESES®、CFDソフトウェアとの接続による自動化システムでの最適化設計がメリットのひとうにあります。この記事では、実際に使用されているOpenfoamとCAESES®による船用プロペラのブレード形状最適化について紹介します。CAESES®では、パラメトリックな2Dモデルや3Dモデルを設計するための手法に加え、様々な外部ソフトウェアと接続することが可能になっています。


図:CAESES®のGUI


舶用プロペラのブレードについて

計算に使用するブレードは、CAESES®の"Generic Blade"という機能を使用して作成することができます。ブレード形状については、NACAシリーズ、Bシリーズ(Wageningen)などの標準的なものをベースとして選択することができ、細かな形状修正もユーザーが定義することが可能です。形状を修正する各パラメータ(pitch,skew,chordなどのブレード要素)は、設計変数として使用することができ、最適化計算に用いることができます。ブレードのチップについてもCAESES®はモデリングが可能です。


図:ブレード設計変数の分布例

 

2Dブレードセクションの視覚化

図:ブレード断面


 Propeller tip modeling with an existing feature

図:ブレードチップ


OpenFOAMとの接続について

外部ソフトウェアと接続する場合は、形状データをソフトウェア間で共有する必要がありますが、CAESES®ではGUI上で形状データを特定の項目にドラッグ&ドロップするだけで、ブレードをマルチボディSTLとして共有することが可能です。CAESES®でのマルチボディ作成は、色によって各パーツを定義するだけです。簡単かつ分かりやすい手法であり、ユーザーはこのプロセスを一度だけ設定するだけで最適化計算を自動化することができます。


Control dicts of OpenFOAM

図:ソフトウェア接続画面


CAESES®でのソフトウェア接続には解析ソフトウェア側のテキストファイルを読み込むことで、必要な情報を入力することができます。CAESES®のGUI上でテキストファイルを修正することで、最適化計算のフローが完成します。OpenFOAMとの接続の場合には、以下のようなファイルをユーザー定義としてCAESES®に読み込む必要があります。

 

・Allrun script

・blockMeshDict

・controlDict

・snappyHexMeshDict

・SurfaceFeatureExtractDict


OpenFOAMの結果ファイル(forces.dat, cases.foam)もCAESES®で指定することができます。ASCII形式のファイルからの値は自動的に抽出され、CAESES®に読み込まれた後にケースステディや形状最適化に利用されます。さらにCAESES®ではcase.foamを使用して、結果のプロットを行うことも可能です。


このようなオープンソースソフトウェアに対しても、CAESES®は接続が可能であり、最適化計算を実行することができます。外部ソフトウェアとの共同による設計効率の向上はCAESES®導入の大きなメリットとなります。


CAESESでの後処理

図:GUI上での計算結果表示