プロペラボスキャップフィンの形状最適化プロジェクト

全体エネルギー消費量の低減による船舶の効率向上については、多くの研究が行われています。

船舶の運航プロファイル(速度、積載量など)の最適化をはじめ、設計初期段階においても効率的な船舶設計を実現するために考慮することは多く存在しています。

その中でも代表的なものには、船型最適化・プロペラ最適化が挙げられますが、プロペラに関連して、プロペラ・ボス・キャップ・フィン(PBCF)と呼ばれる装置があります。


PBCFは、プロペラの効率を向上させ、一定の速度で船を進めるために必要な力を少なくすることができる省エネ装置(ESD)です。

主な機能としては、プロペラ性能特性を改善することであり、例として、ハブ渦とそれに起因するラダーキャビテーションの最小化を実現します。


CAESESで作成したPBCFモデル


このテーマについては、スコットランドのストラスクライド大学でCAESESを使用したプロジェクトが実施されており、新規フルスケールPBCFの設計最適化アプローチが研究されています。

この研究では、最適化プロセス全体の制御、STAR-CCM+の統合、パラメトリックPBCFモデルからの新しい形状の自動生成にCAESESが使用されています。

設計変数が与えられたPBCFモデルによる様々な設計候補を、レイノルズ平均ナビエ・ストークス(RANS)方程式を用いた一様な流れの状態でのOpen Water試験を解析しています。

この解析により、ESDが推進効率に与える影響を予測することができ、最終的にはPBCFの全体最適を見つけることができます。


Reduction of hub vortex by means of PBCF

PBCFによるハブ渦低減効果


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