汎用有限要素解析ソフトウェアAIFEMを用いて、船体ウェブのトポロジー最適化を行います。船体ウェブは、船体を支える役割を担うだけでなく、水中での船体の安定性を向上させる重要な構造体です。造船プロセスにおいて、船体ウェブは一般的に高強度鋼板またはアルミニウム板を使用して製造され、航行中に亀裂や変形が生じないようにする必要があります。そのため、軽量化を目的としたウェブプレートを最適化する際には、複数の機械的作業条件の影響を考慮する必要があります。この目的のもと、AIFEMのトポロジー最適化機能を活用することで、複数の解析ステップと複数の作業条件を考慮した、トポロジー最適化シナリオに対応することが可能となります。
このケースのトポロジー最適化は、静的動作条件を考慮した計算を行います。また、船体の形状特徴から各種条件は対称的に定義が行われます。
図1:均一荷重条件
図2:集中荷重条件
AIFEMのトポロジー最適化結果を以下に示します。このケースでは、総合的な作業条件下でのウェブ重量は、オリジナルと比較して35%以上の削減を達成しました。また、この機能を活用することで、同様の条件下におけるウェブ構造の最適化設計のアイデアを拡大することに繋がります。
図3:均一荷重条件下における要素の材料密度分布
図4:集中荷重条件下における要素の材料密度分布
図5:総合条件下における要素の材料密度分布