【DTEmpower】船体造波抵抗のデータモデリング

はじめに


汎用データ分析・モデリングソフトウェアDTEmpowerを用いて、船体抵抗のデータモデリングについて紹介します。船型設計でシミュレーションを活用した場合、1ケースにかかる時間コストが高くなりやすいことに対して、計算できるリソースというのは限られています。そのため、設計者は最適化の反復プロセスを高速化するために、シミュレーションベースではない別の性能評価方法を考える必要があります。


データセットについて


このケースで準備されたデータは、合計で1121組のシミュレーションデータセットです。入力変数は船尾体積やバルバスボウ角度などの変形に関する5個の変数であり、出力変数は抵抗力(Rt)となります。


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図1:船体形状


モデリング結果について


インポートされたデータセットは、DTEmpowerに標準搭載された独自アルゴリズムAIAgentによってデータトレーニングされ、抵抗の高速予測モデルを構築しました。入力変数である船体パラメータを入力することで、対応する抵抗値を直接取得することができるため、評価時間は数時間から0.1秒未満に短縮されます。トレーニングサンプルを900組、テストサンプルを100組とした場合の予測精度は96.5%であり、このフィッティング効果はランダムフォレストなどのアルゴリズムと比較して大幅に高い精度となります。


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図2:AIAgentと他アルゴリズムの精度比較