航空エンジンタービンディスクのトポロジー最適化解析

はじめに


汎用有限要素法解析ソフトウェアAIFEMを用いて、航空エンジンタービンディスクのトポロジー最適化解析を行います。

従来のタービンディスクは、エンジニアの経験や知識および多数の試験に基づいた構造設計であるため、時間とコストがかかる上に、既存の設計思考を突破した理想的な設計効果を得ることが難しいことがあります。

AIFEMのトポロジー最適化機能を活用して、温度荷重と遠心力の連成を考慮したタービンディスクの構造最適化を行い、よりよい形状を取得します。

同時に製造上の制約も考慮することで、さらなる理想的な形状を取得することに繋がります。


トポロジー最適化の対象について



トポロジー最適化を行うにあたりはじめに与えられたモデルを以下に示します。このモデルの青色の部分が最適化目標の領域となります。


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図1:最適化対象


トポロジー最適化結果について


トポロジー最適化により得られた形状を以下に示します。


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図2:トポロジー最適化結果


このトポロジー最適化によって、タービンディスクの強度設計要件を満たしながら、当初の設計重量の5%削減を達成しました。

本機能を活用することで、製品の設計空間と可能性を探求・拡大するとともに、設計の信頼性向上が実現します。さらには、構造の軽量化と放熱性能の最適化を常に追求することが可能となり、新しいアイデアを生かした形状の取得が可能となります。


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図3:最終的なタービンディスク